<自然産物と人工産物>
“現代科学の進歩は目覚ましく、取り分け“原子力エンジン”と”プラスチック“の発明と実用化は人類の生活に革命的な利便性と経済効果を生み出している。
ところがその2大発明の産物が近年大きな自然破壊産物として注目され、世界の課題としてクローズアップされてきた。原子力発電所として巨大な電力を容易に発生でき、
化石燃料にかわる無尽蔵なエネルギー源となり、船舶等の移動体の大型エネルギー源としても画期的な技術である。
プラスチック製品はその強度、軽さ、製造容易性、量産効果による経済性、等のメリットが強烈である。
木材、紙、等の自然界の産物に代わりどんなモノも、自由自在に製作できる。
ところが、原子力発電所の破壊で放射能の拡散による自然界への脅威を目の当たりにし、核反応後の残物の処理技術が未確立で、
環境に影響のない状態で自然回帰させる技術が確立していない。
自然界のモノを画期的な技術で偉大な産物として発明はしたが、そのモノを自然回帰させ、終息するライフサイクルの確立が不完全で製品化がなされてしまった。
同様に、プラスチック製品つまり木材や鉄板等に代わる構造物からプラスチック容器まで、生活用品のほとんどに応用され、
身の回りの大半はプラスチック製といっても過言ではない。ところがそのプラスチック製品を使い終わっても木材のように腐敗して土に還ることはない。
ポリ袋、ポリ飲料の残骸が大量廃棄され廃棄場所がなく後開発国に充満し、捨てられたごみが海洋汚染をきたし、世界中プラスチックごみで埋め尽くされつつある。
これも自然へのライフサイクルの確立が不完全なまま開発され、実用化されてしまうと言う未熟な技術開発の所以である。
根本的な解決策はやはり使い終わった製品の終局は自然に還る、ライフサイクルが完結できるような技術を今からでも開発し、
本来の発明の手順を全うする事が唯一無二の原則である。人類の責任において原子力のライフサイクル設計、プラスチックのライフサイクル設計、これが責務である。
その完成まではいくら便利な画期的製品でも未完成品の使用は禁止、廃棄され自然への脅威を回避しなければならない。
2019.7.1記